工場では、多くの女性たちが現場を支えている。
その中にベトナムから来ている9人の女性たちがいる。
ルヴェラが業務委託をしている株式会社ヤマケンリビングの実習生たちだ。
年齢は18歳から28歳まで、すでに結婚していて、幼い子供達をベトナムに残してきている母たちもいる。
日本で技術を学びながら母国への送金を行い、家族を支えている。

日本での実習の希望者は多く、ベトナム現地に直接出向き、面接を行う。
実技テストやインタビューなど、多くの難関と言われる試験をパスした秀才ばかりだ。
神経を使い手先を酷使する縫製仕事のテストは、まず姿勢をみるそうだ。
姿勢がいいと結果、その後の上達が早いそうだ。

日本語の習得は渡航前に6ヶ月間学校へ通う。
それだけで、日常会話を問題なくこなしている。
それでも毎日仕事が終わってから、寮にもどっての日本語学習を怠らない。
日本に居る間に日本語検定N2を取得し、さらに上の級を目指している。
ベトナムの女性達1
ベトナムの女性達2
ベトナムの女性達3
ベトナムの女性達4
9人は全員がひとつ屋根下の寮で暮らしている。
広々とした部屋、二つのキッチン。食事はめいめいが好きなものを作るそうだ。
休みの日の楽しみは?と聞くと、「スーパーへの買い物」という答えがすぐに返ってきた。
就業期間の3年を、ほとんど工場と寮との行き来で過ごす。
アイン、ニュン、ハン
アインは23歳、2本針ミシンと口縫いが担当だ。日本語検定試験3級に合格している。
趣味は読書、ハノイ郊外のニンビンから来ている。
将来の夢は自分の会社を持つこと、桑山社長にあこがれているにちがいない。
アインは話のフォローがうまい。聡明な眼差しが印象的。
ベトナムの女性達5
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ニュンは24歳、充填後の羽毛ふとんの口縫いを終日立ったままこなしている。
日本語検定試験2級に合格している。
日本のアニメが大好き。ハノイ郊外のフニエンから来ている。
夢は世界中を旅行することで、英語も話す。
おとなしそうだが、人とのコミュニケーションがとてもうまい。
ベトナムの女性達7
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ハンは26歳、キルトマシンを担当している。
料理が得意。将来の夢は洋服のお店を持つこ。
くりくりとした目、彼女ならきっとできる。
現場ではキリッと前髪を上げて、一心に働いていた。
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フォン、ハー、ダム
フォンは24歳、3歳の男の子のお母さんだ。アニメが大好き。
綿入れ、口縫い、2本針とほとんどの縫製をこなす。
アクセサリーのデザインが好きで、桑山社長からもらった素材でいろいろと創りこなしていた。手先がすごく器用なんだろう。
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ハーは28歳。4歳の子供を残して来ている。
2本針ミシン、ラベルの縫い付け縫製を担当している。
趣味はテニスとバトミントンという活発な女性だ。
将来は薬屋さんを開業するのが夢。
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ダムは26歳、羽毛の充填を担当している。次から次へと充填をこなし、できあがるとニュンの待つ口縫いの工程へと、ふとんを抱えて走っていた。
日本のアニメが大好き。将来は洋服のデザインを勉強してお店を持ちたい。
ベトナム最南端の町から来ている。無邪気な笑顔。
ベトナムの女性達15
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アーリン、ズン、ヒェウー
アリンは18歳、いちばんの若さ。ふとんの最終クリーニングと出荷担当。
趣味は空手、キッチンで実際空手を見せてくれた。ニンベン出身。
将来の夢はヘアースタイリストになること。きれいな長い髪をしている。
若いけれど、落ち着いた笑顔が印象的。
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ズンは19歳。ダナンから8時間ほど離れた町から来ている。
縫製担当。バトミントンが趣味。
彼女も会社経営を夢見ている。桑山社長のようになりたいにちがいない。
若いけれど、とてもしっかりしている。
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ヒェウーは24歳、すでに4歳になる男の子のお母さんだ。
出荷セクションを担当している。
料理が好きで、将来はペイカリーのお店を持ちたいそうだ。
きっといつか、黙々とおいしいパンを焼いているにちがいない。
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アインの空手(足技?)、キッチンで見せてくれた。
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ベトナムに、夫や子供を残してきている女性たちが意外に多いことに少し驚いた。
スカイプで毎日のように話をしている。もちろん家族や両親への仕送りも欠かさない。
ベトナムというと、どうしてもベトナム戦争のことを思わずにはいられない。
サイゴンという名前はすでにホーチミンに変わっている。
アオザイ姿の美しいベトナム女性のイメージは今はどうなんだろうか?
ご両親はベトナム戦争の話をするかという質問に、だれもがキョトンとしていた。
時代も世代も変わったのだ。
仕事は忙しいほどいいという。夏の閑散期よりも冬の繁忙期が好きだという。
寮にもどって食事を作り、スカイプで家族と話をしたり、日本語の教科書を開いて勉強に励む。
お休みの日には、近くのスーパーへ自転車で買い物に行く。
地味だけれど、若い彼女たちの確かな人生の1ページがここで刻まれていく。
ベトナムへもどってからもルヴェラのことを思い出すにちがいない。
ベトナムの女性達25
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日本の南の端の小さな街で過ごした3年間は、彼女たちの人生にどんな影響をもたらしていくのだろう。
自分の会社を持って社長になりたい、お店を持ちたい…
日本での経験が支えになってほしい。
屈託のない明るい笑顔や素朴な日本語の会話…
どうか、みんな幸せになってほしいと願わずにはいられない。
桑山社長もそんな思いで、寮では彼女たちを母親の目で見ている。

文と写真:Yoko Lewis

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